みしらず柿の栽培環境と技法の特徴

会津盆地ならではの風土と、代々受け継がれた栽培の工夫。
「皇室献上のみしらず柿」が生まれる畑の条件と栽培の工程を紹介します。

会津盆地が育む理想的な環境

会津みしらず柿は渋柿の一種で、古くから会津盆地一帯で栽培されてきました。特に献上柿の産地である御山地区は会津盆地南側斜面の扇状地に位置し、黒色粘土質の肥沃な土壌と一年を通した日照(西日が多く当たる)に恵まれ、阿賀野川上流の清流も相まって果樹栽培に理想的な環境です。会津盆地特有の昼夜の寒暖差も大きく、こうした気候条件が農作物の甘みを引き出す要因になっています。

有機肥料と環境に配慮した農法

栽培方法にも工夫が凝らされており、例えば皇室献上柿の生産農家では有機肥料のみを用いて化学肥料を避け、農薬も必要最小限に控えるなど環境と調和した農法を守っています。土づくりの段階から「安全で、後味のよい甘さ」を目指し、樹の状態や天候に合わせた細かな調整を続けています。

摘蕾・摘果で一玉に養分を集中

5月中旬の摘蕾(つぼみ摘み)、7月から盆過ぎにかけての摘果を丹念に行い、1~3本の枝につき1個だけ実を残すよう間引くことで養分を集中させ、収穫時には直径8cm以上にもなる立派な大玉の柿に育てています。見た目の大きさだけでなく、果肉の密度や舌触りにも、この「手間と間引き」の影響が現れます。

樹上完熟と、会津の寒さ

秋深くまで木にならせた柿の実は、霜が降りる直前まで樹上でじっくりと完熟させ、会津の寒さにさらすことで旨味が一層引き立ちます。寒暖差のある環境で時間をかけて育つことで、デンプンが糖に変わり、みしらず柿らしい濃厚な甘みと香りが生まれます。

焼酎を使った昔ながらの渋抜き

ただし完熟したみしらず柿は強い渋みを持つため、収穫後に渋抜き処理が欠かせません。伝統的には35度の焼酎アルコールを用いた渋抜きを行い、収穫後に箱詰めした柿の上から焼酎を振りかけて密封します。こうして密閉したまま数日置くことで柿のタンニンが不活性化され渋みが消え、指定の開封日には甘く食べ頃になった柿を味わうことができます。

硫黄燻蒸ではなくアルコールを使う昔ながらの渋抜き法により、みしらず柿本来の自然な甘さと舌触りが損なわれないのも特徴です。「余計なものを加えず、いらないものだけを取り除く」―そんな考え方が、栽培から渋抜きまで一貫して守られています。

栽培の先にある一玉の味わい

こうして手間ひまをかけて育てたみしらず柿の「味わいの特徴」や、「会津の文化・歴史」については、ほかの読み物ページで紹介しています。

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